「あれを見ろ! 鳥か?スーパーマンか?」
「いや、サルが空を飛んでいるんだ!」
子供のころ、父が日曜日に心斎橋へ遊びに出かけると
夏には北極のアイスキャンディを買ってきてくれた。
姉たちはすぐさまパインやミルクのアイスめがけて手を伸ばしたが、
僕のお目当ては保冷材のドライアイスだった。
父がボールの容器に、ドライアイスを入れて熱湯をかけると
みるみる真っ白な雲があたり一面に湧き出すのを見るのが無性に楽しかった。
今も冷凍食品に同梱されたドライアイスを見つけては
ついつい同じ遊びに興じてしまう。
20年前に亡くなった父を思い出しながら・・・